モンソニアペニクリナム実生1年<播種〜現在までの環境>

和名 :フクロソウ科 モンソニア属 ペニクリナム

学名 :Monsonia peniculina

旧名 :Sarcocaulon peniculina(サルコカウロン ペニクリナム)

トップの画像は播種から1年の子で我が家で1番丸く育っている株になります。

冬型塊根植物に分類されアフリカ南西部のナミビアに自生しますが、限られた地域にだけ自生する稀少な品種となります。

白いツルツルした肌と、細かい繊毛に覆われた可愛い葉を出し、花も白やピンク、赤など個体により様々でとても見た目のギャップが激しく幾つでも、いつまでも見ていられる植物です。

原産地ではとても成長の遅い種で、現地球を鉢での管理は繊細な条件が必要であったり、難物だと言われています。日本の高温多湿な環境下だと不安要素が高くなかなか手が出せませんが、播種〜発芽〜生育を日本の環境で行えば、さほど難しくないと感じました。

我が家の環境ですと夏場の35℃前後でも葉を落とさずに、休眠せずシーズンを迎えてくれました。

また播種から開花までも早く、最速で2ヶ月で花を咲かせ楽しませてくれました。

今回は我が家での管理や環境などをまとめてみようと思います。

播種準備

まずモンソニアの種は房のような殻の中に入っています。画像はメネデール100倍希釈水に24時間漬けた状態のもので、十分に水分を含むと殻が柔らかくなり上下を押すと割れ目が開き、中の種子が取り出せます。鮮度の良い種子ですとこの段階ですでに芽が出始めているものも多く、植え付ける際に種子の尖った側を用土に置くようにしてください。

覆土はせずに種子の半分くらいが出た状態ぐらいが良いかと思います。

用土・容器

以前我が家で配合した用土と軽石の小粒を1:1で合わせたものを使っています。

用土配合比率

赤玉土:15ℓ

鹿沼土:10ℓ

日向土:5ℓ

軽石:2ℓ

くん炭:1ℓ

これで作った土と軽石の小粒を1:1で混ぜ合わせます。

鉢はなるべく大きめが良いですが、我が家ではプレステラ90の深型で播種しています。今回のブログで紹介する管理が腰水管理になるのですが、想像以上に根を伸ばすので、浅いタイプですとすぐに株が持ち上がってしまいます。

また大きめな鉢がいい理由としては、モンソニア類は根がとてもデリケートで植替えの際とても調子を崩しやすい為、ある程度大きくなるまでそのまま育てられる余裕があったほうが理想だと思います。

用土は鉢のすり切りいっぱいまでいれて、植え付ける前にかなりしっかり目に、水圧で微塵を抜いたほうがいいです。後々に株の調子が狂い難く感じます。

播種後の環境

塊根植物全般に言えますが

光・水・風

この3つをフルで与える環境でいくと、とても早く成長し肥大してくれます。

[光]

光に関しては我が家は掃き出し窓に棚を設置し、カーテンはつけずに陽をあて、プラスで植物用のLEDを当てています。時間としては12時間点灯。光量でいうとガラス越しで3万lxぐらいでLEDと合わせると

8万〜10万lx

になります。葉焼けが心配になりますが、モンソニアに関してはかなり強光でも問題ありませんでした。むしろ2万lx以下だと徒長気味になってしまい延びる印象があります。

[水]

次に水をフルで与える為に腰水管理で半年以上は育てます。発芽後は2ヶ月目あたりからハイポネックスの微粉タイプを混ぜた水を与えると、より根が育ち株も丈夫に育ちます。水の量で言うとプレステラのタグを刺せる位置あたり、底からだと約3cmくらいの高さまで溜めると、乾かずに済みます。トレーの水自体は1週間に1度交換ぐらいで行くと清潔に保てます。

[風]

最後に風ですが、我が家はサーキュレーターを24時間稼働させています。壁に当てて流れを作るというより、直接株に当てたままにしています。風を直に当てたままにしておくと、蒸れの防止や、株自体が締まって育ったり、腰水の懸念点である苔の発生も少なく感じます。

[温度]*補足として

冬型の為基本的には20℃前後が1番生育がいいように感じます。我が家では播種を1月にしましたが、室温で最低が12℃最高で25℃前後で置いていますが、低い室温でもしっかり発芽してくれました。夏場の間も同じ位置で管理しており、最高室温35℃でも休眠せずに秋を迎えました。暑さがあると流石に成長は鈍くなりましたが、脱落する株もなく無事に乗り切りました。ただ播種に関してはやはり30℃を越えると厳しく感じました。理想としては最高気温が25℃以下が播種の結果はよかったです。

まとめに

個体差もあるのと冬型特有の繊細で可愛い葉、そして美しい花を咲かせて楽しませてくれるのでとても魅力的な植物だと思います。また1年もかからずに親木になる素質があり、種も取りやすいので株を増やす事や最適な育成環境を探求できるのも良いところの一つだと思います。

こちらの発芽した株も、親株は発芽後半年程度のものから採取した種子で、環境が整えば1年通して実生を繰り返せます。

原地での個体数もかなり減ってきている現状をみると、現地球のワイルドな野生感は素敵ですが、国内実生での立派な株も魅力的だと感じる為、これからも記録をとりつつ株を増やしていきたいと思います。

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