土留め・擁壁の種類

1段上がった土地や、3m以上高くなった土地、または6mを超える崖など土地の高さは様々です。平らな土地に建てる場合や、土地の境界線を示すために建てる『塀』はみなさんご存知だと思いますが、今回は高低差のあるとちに施工する『土留め』や『擁壁』についてまとめていきます!

土留め・擁壁の意味や目的

法面や段差の崩壊を防止するために設置される構造物で、自立式土留構造の土留は擁壁ともいう。仮設構造物において、開削工法により掘削を行う場合に周辺土砂の崩壊を防止すること、また止水を目的として設けられる仮設構造物を言い、土留め壁と支保工からなる。

簡単に言うと、土などが崩れないように支えること。また支える壁などの構造物を擁壁と呼ぶ。

土や水は思っているよりもかなり重たいです。さらに、その高さのある地面の上に家など重たいモノが乗っかれば、さらに崩れることが想像できると思います。

土が崩れれば家の基礎が傾いたり、崩れた側の隣家、道路側など被害が大きくなる可能性もでてきます。

高さや強度に気をつけて施工するのが大事です!!

土留め・擁壁の種類

用途や強度は様々ですが、丈夫な順に並べると

強度順

コンクリートブロック(重量ブロック)
約10年もしくは即アウト

CP型枠ブロック(化粧ブロック)約30年ほど

RC擁壁(現場打ち、プレキャストなどの
鉄筋コンクリート造)約50年ほど

因みに費用も上の順になります。

因みになぜアウトなコンクリートブロックで施工できるのかと言うと、建築基準法の申請関係で『高さが2.1mを超える工作物』の場合、申請と検査が必要になります。逆を言えば2mを超えない土留めでは申請がいらない『任意擁壁』になり時間も費用も削減できます。そして素人目には普通の重量ブロックと型枠ブロックの見分けが難しいため、強度の心配されるブロック積みを施工されてしまうことがあります。

外構工事・造成工事には相場はなく、現場の状況や内容でかなり金額が変動します。高かろう、安かろうと言われています。

コンクリートブロック(CBブロック)

先に述べましたが、基本的には土留めには使えません。グレーゾーン的扱いにはなりますが、40センチの高低差で、土留めから建物まで距離があるなど、土圧がかからない場合は2〜3段積みなどは見かけます!2〜3段ブロックを積んでフェンスなどを施工してるものはよく見ますが、土圧がかかっていなければ大丈夫なこともあるそうです。

CP型枠ブロック

コンクリートブロックではありますが、通常の建築資材の重量ブロックとは構造・施工法が全くちがうので土留めとしての強度が保てます。

垂直施工の認可を国土交通大臣から受けた画期的な構造材料です。全く新しいウェブ位置、形状、寸法によって鉄筋の配置の自由度を大きくすることで、通常のブロックで問題視されていた弱点を克服。

重量ブロック(CBブロック)の場合モルタルを流し込むのが大半ですが、完全な重鎮が難しく空洞が残り強度が出せません。CPブロックの場合コンクリートを流し込み、なおかつ構造的にしっかり重鎮できるので空洞ができにくいです。なので強度が保てるため擁壁として機能します。

point

・高さ3メートルの垂直施工が可能
・敷地の有効活用が可能
・左右、上下対象の形状
・施工性のスムーズさ

RC擁壁(現場打ち、プレキャスト)

①現場打ち(RC造)

土木工事や建設現場などで木製や鉄製の型枠を組み、必要であれば鉄筋を組み込み型枠の中にコンクリートを打設し固めることで、現場で製品を完成させることです。

point

複雑にカーブしていたり、段差や斜めなど対応ができる。
コンクリートつなぎ目はないので一体的になるため強度がある

デメリットはコンクリートを乾かす時間がかかるため、工期が長くなることがある。単純に日数がかかれば人件費や重機の回送費などが上乗せされていくため。

②L型プレキャスト(PC造)

現場打ちとは違いコンクリート製品を工場で製造し、現場に持ち込むこと。コンクリート2次製品)コンクリートのパネルを溶接金具で繋いだりして組み上げていくもの。

point

現場で打ち込む必要がないので、スムーズに施工ができる。天候に左右されずに、高い品質や高い強度の製品が作れる。また現場打ちと違い、壁の厚みが薄かったり、表面も均一なため、見た目がとても綺麗です!肌美人!!!!

デメリットは現場でパネルを繋いでいくため、このつなぎ目が漏水する可能性が少なからずある。金属部分の強度や耐久性が問題になる。

まとめに

費用で言うと通常の重量ブロック(CBブロック)が圧倒的に抑えられます。しかし、安く施工できるのが正解だとは思いません。高さが60cmなければ平気だと思いますが、建物の位置や高低差、土圧などを考慮すると型枠ブロック(CPブロック)の方がオススメです!元々地震大国の日本ですから、何があるかわかりません。もしブロックが崩れ、人に怪我をさせてしまったり隣の建物に被害が出てしまったり、建物の基礎に影響を与えてしまったりと、2次災害が発生した場合初期費用よりもかなりかかることも十分あります。コンクリートの擁壁の方が時間も費用もかかりますが、長い目で見たときに安全だと思います。

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